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洗剤選びやマークの見方、下準備から正しい干し方まで「洗濯のやり方の基本」をチェック!

2024.09.26最終更新

日々の家事として必ず行う「洗濯」ですが、洗濯機に全てお任せすればよいと思っていませんか?実は、洗濯には表示マークのチェックや、きれいに仕上げるための下準備から正しい干し方まで、いくつものポイントがあります。これらをきちんと押さえることで、仕上がりがぐんとよくなります。

この記事では、洗濯のやり方の基本ポイントについて解説します。正しい洗濯のやり方をマスターして、毎日の洗濯を効果的に行いましょう。

洗濯をする前に
行うべきこと6つ

まずは、洗濯機を回す前にやっておくべきことをチェックしましょう。

1.洗濯表示マークをチェックする

平成28年12月、衣類など繊維製品の洗濯表示が新しい記号に変更されました。変更後の洗濯表示マークは、5つの基本記号と付加記号、数字の組み合わせで構成されています。また、記号だけでは伝えきれない情報は、記号の近くに簡単な言葉で記されています(例:洗濯ネット使用、あて布使用 など)。

洗濯表示マークには、衣類の洗い方や干し方、やってはいけないことなど、洗濯をするにあたっての大切な情報が示されています。衣類のタグに表示されている洗濯表示マークを確認しておきましょう。

2.洗濯物の仕分けをする

泥が付くなど汚れた衣類は、他の服に汚れが移らないよう洗濯前に仕分けておき、別洗いします。また、色落ちしやすい衣類と白い衣類も色移りを防ぐために仕分けておき、別洗いしましょう。

手洗いマークの付いた衣類は、仕分けた上で洗濯機の手洗いモードで洗うか、自分で手洗いします。ただし、縮んだり型崩れしたりする可能性があるため、大切な衣類の場合はクリーニングに出す方がよいこともあります。

3.ポケットやファスナーをチェックする

衣類のポケットにティッシュペーパーや硬貨、電子機器などが入っていないかチェックします。うっかり洗ってしまわないようにしましょう!

ボタン付きの衣類は、ボタンを開けたまま洗うことで、縫い糸のダメージを押さえられます。一方、ファスナーは閉じて洗うようにすると、他の衣類への引っかかりを防げます。

4.靴下や肌着、ニットは裏返す

洗濯機は、衣類同士を擦り合わせて洗うため、外側に出ている部分の汚れの方が落ちやすくなります。汗や皮脂汚れは衣類の裏側に付くため、裏返して洗うことでしっかりと汚れを落とせます。皮脂や汗が付きやすい靴下や肌着は、裏返しておくとよいでしょう。

また、ニットやセーターは摩擦により毛羽立ち、毛玉ができやすくなります。裏返しにすることで表側の摩擦が少なくなり、毛玉ができにくくなります。

5.ひどい汚れは予洗いをする

食べこぼしや襟袖の黒ずみなどは、洗濯機洗いだけでは落ちにくいものです。予洗いとして、液体洗剤をしみ込ませたり、固形洗剤などで部分洗いをしたりしておきます。黄ばみ汚れの場合は、酸素系漂白剤につけ置きしておきましょう。

6.洗濯ネットを使う

洗濯表示マークの近くに「洗濯ネット使用」と指示されている場合は、洗濯ネットに入れます。指示がなくても、大切に洗いたい衣類は洗濯用ネットに入れておくと安心です。

洗濯洗剤の選び方

さまざまな種類の洗濯洗剤があり、どのように使い分けたらよいか迷うこともあるでしょう。ここでは、洗濯洗剤の選び方を解説していきます。

日常着の洗濯→「弱アルカリ性」洗剤
洗濯に強い綿や麻、ポリエステル、ナイロン、アクリルなどを使った日常着や肌着には、弱アルカリ性洗剤を使います。弱アルカリ性洗剤は中性洗剤に比べて洗浄力が高く、皮脂汚れやタンパク質汚れをよく落としてくれます。なお、生成りや淡い色の衣類には、無蛍光タイプの弱アルカリ性洗剤がおすすめです。
ウールやシルク製衣類の洗濯→「中性」洗剤
ウール、シルクなど動物性の繊維でできた衣類や、擦れによる毛羽立ちを防ぎたい衣類には、繊維を保護する成分が入った中性洗剤が適しています。「おしゃれ着洗い用」として販売されています。
洗剤で落ちない汚れ→「漂白剤」

漂白剤は、洗剤では落ちない色素を分解して落としてくれます。

  • 塩素系漂白剤 アルカリ性で、漂白力が強いタイプ。白いシャツやタオルなどの漂白に向いています。酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生するため、パッケージに「まぜるな危険」と警告が書かれています。
  • 酸素系漂白剤 漂白力が穏やかで、色柄物にも使えます。粉末タイプと液体タイプがあります。
着心地をよくする→「柔軟剤」
柔軟剤は、衣類を柔らかく仕上げて着心地をよくしたいときに使います。静電気を防いでくれるので、花粉が付きにくくなるメリットもあります。吸水性が落ちてしまうため、肌着やタオルには不向きです。アウターやニット、シャツに使うことをおすすめします。

洗濯機を使うときの手順

毎日のルーティンである洗濯機での洗濯。その手順を改めて確認しておきましょう。

1.洗濯機に適量の衣類を入れる
洗濯槽に衣類を入れます。この時、ぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと、衣類が大きな固まりとなってしまい、汚れがきちんと落ちません。一つ一つの洗濯物がばらけて回るように、洗濯槽の7~8割程度を目安に適量の衣類を入れましょう。
2.洗濯コースを選ぶ
汚れ具合や衣服の種類などに応じて、洗濯コースを選びます。「標準コース」のほかに、がんこな汚れ用の「念入りコース」、デリケート素材を洗う「弱水流コース」や厚手の毛布を洗う「毛布コース」などがあります。コース名はメーカーや機種によって異なりますので、取扱説明書を確認しておきましょう。
3.洗剤を入れてスタート
スタートボタンを押すと、洗濯機が衣類の重さを計測して水量や洗剤の量を表示してくれます。表示された分量の洗剤を入れ、スタートボタンを押して洗濯スタートです!

洗濯物の干し方のコツ

洗濯が終わったら、次は干す作業です。干し方次第で仕上がりが変わりますので、ポイントを押さえておきましょう。

まず、洗濯が終わったら、すぐに洗濯物を取り出します。そのまま放置しておくと、雑菌が繁殖して嫌なニオイの原因になるため気を付けましょう。

取り出したら、洗濯物を振って余分な水分を落として、シワを伸ばします。この作業を行うことで、前部分と後ろ部分が剥がれて風の通りがよくなり、乾きやすくなるメリットもあります。ただし、伸びやすいニットは振らずに、軽くたたいてシワを伸ばす程度にします。

干し方には次のような種類があります。

  • ハンガー干し シャツやブラウスなどに向く干し方です。ハンガーに掛けたら、軽く引っ張ったり叩いたりしてシワを伸ばしておきます。なお、ハンガーにタオルを巻いて肩幅に合わせたり、肩部分に厚みのあるハンガーを使ったりすると、型崩れを防止できます。こぶし1つ分を目安にハンガーの間隔を空けて、空気が通りやすいようにします。
  • 平干し ニットなどに向く干し方です。衣類が水の重みで伸びるのを防ぎます。平干し用のネットを使うと便利です。
  • つり干し シーツや毛布などに向く干し方です。物干し竿に洗濯物を直接掛けて干します。物干し竿を2本使い、またがるように掛けると間に空気が通り、乾きやすくなります。
  • 筒状つり干し ジーンズなど厚手の衣類に向く干し方です。ピンチハンガーを使って、衣類を筒状にします。こうすることで空気が通り、乾きやすくなります。

なお、色の濃い衣類や綿、麻、シルク、プリント柄は色あせしやすいため、直射日光を避けて陰干しをしましょう。

よくある質問

Q.節水のため、すすぎを1回にしてもよいですか?
A.すすぎは2回行うことをおすすめします。すすぎを2回することで、汚れをしっかり洗い流せて、衣類への洗剤残りも防げるからです。すすぎを1回にする場合は、洗剤残りによる肌荒れのリスクを減らすため、すすぎ1回に対応している洗剤を使いましょう。
Q.お風呂の残り湯で洗濯してもよいですか?
A.お風呂の残り湯を利用すると節水になり、水道水よりも温度が高いので汚れが落ちやすくなります。ただし、残り湯には汚れが含まれるため、すすぎは水道水で行いましょう。
Q.洗濯機を使わず手洗いするときのやり方は?

A.手洗いには次のようなやり方があります。

  • 押し洗い→ウールのセーターなど厚手の衣類を手洗いするときのやり方です。約40度のぬるま湯を洗面器に入れ、中性洗剤を溶かします。汚れた部分が外側になるように畳んで、洗面器の中で20回から30回、軽く押すようにして洗います。
  • アコーディオン洗い→ブラウスやストールなど、薄手の衣類を手洗いするときのやり方です。40度以下のぬるま湯を洗面器に入れ、中性洗剤を溶かします。畳んだ衣類を浸し、洗濯液の中で端をつかんでアコーディオンを弾くようにゆっくり広げる→縮めるを約20回繰り返します。

手洗いした衣類は洗濯ネットに入れて、洗濯機で30秒~1分間脱水します。その後、洗面器に水をためて、泡や濁りがなくなるまで水を変えながら数回すすぎます。再び、洗濯機で30秒~1分間脱水して、すぐに干します。

まとめ

洗濯は、仕分けなどの下準備から干すまでの手順を押さえることで、キレイに仕上げることができます。お気に入りの服や毎日着る肌着をよいコンディションにしておくために、洗濯の基本を確認しておきましょう。

近年は、花粉やPM2.5などの影響、また防犯面などの理由で室内干しをする人も増えているようです。洗面所に隣接したランドリールームを設けて、造作で物干し竿を吊るすような間取りもあります。ランドリールームを希望するなら、マイホームの建築や購入を検討されるのもいいかもしれません。

執筆者

川口章子

情報誌の広告ディレクターとして、求人広告や商品広告の制作に従事した後、フリーランスとして独立。住宅、インテリア、マネー、家計、レジャーなど暮らし関連などの幅広い分野で編集、取材、記事制作に携わっている。

  • 関西みらい銀行が監修しています