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4人家族の食費の平均はいくら?理想的な食費の算出方法と節約術を紹介

2024.09.26最終更新

「みんなは食費にどれくらいかけているのだろう?」「家計に占めるわが家の食費が適正か知りたい」という方もいるのではないでしょうか?特に家族が増え、マイホーム購入や教育費のための貯金を考えているご家庭では節約できそうな食費に目が向くこともあるでしょう。
そこでこの記事では4人家族の食費平均額や、理想的な食費の計算方法、手軽にできる節約術を紹介します。

4人家族の食費は
1カ月当たり
平均9万712円

総務省統計局では家計収支の実態を把握し国の政策に生かすことを目的に統計法に基づく統計調査を実施しています。最新の「家計調査年報(2023年)」によると、4人家族(世帯人員4人世帯)の1カ月当たりの消費支出額は平均32万3,324円で、食費の平均額は9万712円でした。品目別の内訳を以下に紹介するのでご家庭の支出額と比較する際の参考にしてください。

【品目別の食費平均額】
穀類(米、パン、麺類など) 7,524円
魚介類(生鮮魚介、魚肉練製品など) 5,289円
生鮮肉(生鮮肉、加工肉) 9,916円
乳卵類(牛乳、乳製品、卵) 4,674円
野菜・海藻(生鮮野菜、海藻、大豆加工品) 8,617円
果物 2,461円
油脂・調味料 4,274円
菓子類 8,847円
調理食品 13,050円
飲料 5,797円
酒類 3,126円
外食(一般外食、学校給食) 17,137円
総計:90,712円

出典:2023年家計調査 家計収支編 1世帯当たり1カ月間の収入と支出 第3-1表「世帯人員別」(総務省統計局)より抜粋

上記の表から、外食と調理食品の占める割合が高いことがわかります。外食費は学校給食費を含んでおり、一般外食費のみの金額を計算すると平均1万5,307円になります。なお、過去5年間の推移を見ると、4人家族の食費は2019年の平均は8万3,799円、2020年は8万7,071円、2021年は8万7,017円、2022年は8万8,102円、2023年は9万712円と物価上昇の影響もあり年々上昇しています。

エンゲル係数をもとに
わが家の理想的な食費を
計算してみよう!

「エンゲル係数が高い」「エンゲル係数が低い」といった言葉を聞きますが、エンゲル係数とは何を指すのでしょうか。ここではエンゲル係数をもとにした理想的な食費の計算方法を紹介します。

エンゲル係数とは?家計費に占める食費の割合

エンゲル係数とは家計の総支出額に占める食費の割合(%)を指します。以下の計算式で求められます。

食費÷総支出×100(%)=エンゲル係数

先ほど紹介した家計調査年報から2023年の4人家族の数値を当てはめてみましょう。

90,712(食費)÷323,324(総支出)×100=28.1%(エンゲル係数)※小数点第2位を切り上げ

仮に支出額が同じだとすると、食費にかけるお金が多いほどエンゲル係数は高くなります。もし、ご家庭の支出額が32万円前後でエンゲル係数が28%より高い場合は食費にお金をかけすぎているといえ、節約を考えたほうがいいかもしれません。

また、ぜいたく品や嗜好品などに比べて食費は削るのが難しい項目です。一般的にエンゲル係数が高いほど生活水準が低くなることを意味しており、エンゲル係数は社会の豊かさを反映するともいわれています。

収入別のエンゲル係数を参考にわが家の適正額を計算!

エンゲル係数は収入や家族構成、年代などによって違ってきます。
2023年の家計調査より、4人世帯(有業者1人)の年収別食費、エンゲル係数を紹介します。

年収 1カ月の食費(円) エンゲル係数(%)
500~550万円 69,351 30.6
550~600万円 73,432 28.1
600~650万円 88,906 31.8
650~700万円 82,826 31.0
700~750万円 90,242 29.6
750~800万円 92,581 29.5
800~900万円 86,728 26.8
900~1,000万円 110,732 28.0

出典:2023年家計調査 家計収支編 1世帯当たり1カ月間の収入と支出 第2-7表「4人世帯(有業者1人)年間収入階級別」(総務省統計局)より抜粋

年収別に1カ月の食費を見てみると、年収が上がるにつれて食費が上昇しているのがわかります。エンゲル係数は26.8%~31.8%の間で推移しています。理想的なエンゲル係数の数値が定義されているわけではありませんが、一般的には20%~24%ほどともいわれています。昨今の物価上昇を考えると、エンゲル係数がある程度上がってしまうのはやむを得ないのかもしれません。

また、年収が同じでも世帯主の年齢や子どもの年齢によってもかかるお金は変わってきます。上記で紹介したデータを参考に、ご家庭の食費が平均的なのか、平均よりかかり過ぎているのかをざっくり把握してみましょう。家計管理を考えるうえで役に立つはずです。

メリハリを大切に!
手軽にできる食費節約の
アイデア集

もし、ご家庭の食費が平均よりかかり過ぎていることがわかったら、将来のために節約にも目を向けてみましょう。ここでは無理せず手軽にできる節約のアイデアを紹介します。

外食の予算を決める
外食はおなかを満たすだけでなく、リフレッシュや家族の会話といった貴重な機会にもなっています。外食をやめたり回数を減らしたりするのではなく、「月に1回人気のお店で外食する」「1回の予算を決めて範囲内で収まるお店を探す」など、楽しみになるような目標設定でメリハリのあるお金の使い方を心がけましょう。
家計簿アプリを活用する
家計管理のために家計簿をつけようと思っても忙しさからなかなか実行できない方もいるでしょう。大切なのは、1円の単位まで正確に把握するのではなく、何にどれくらいの金額をかけているのか、ざっくりでも把握しておくことです。例えば、家計簿アプリのなかにはレシートをスマートフォンで読み込むことで記載が不要になるタイプや、電子マネーやクレジットカードと連動しているタイプのものもあります。また、それも面倒であれば、食費はすべてクレジットカードで決済し、1カ月の合計金額をざっくり把握する方法もあります。
1日当たりの予算を決めてまとめ買いをする
1カ月の食費予算のうち、日々必要な生鮮食料品の予算とお米や調味料、粉類、缶詰などのストック品の予算とは分けて考えます。比率はだいたい3:1といわれています。生鮮食料品分の予算を30日で割って1日当たりの食費の目安を出すとまとめ買いの予算が立てやすくなります。
例えば、3日分、5日分の献立をざっくりと決めて使いきれる量を予算内で買うのがおすすめです。スーパーなどで買い物をするとつい衝動買いをしてしまう方は、ネットスーパーや食材宅配を利用しましょう。
コンビニやデリバリーを控え、冷凍食品をストックする
忙しくて調理する時間が取れないときはお惣菜など調理済みの食品に頼ってしまいがちです。調理済みの食品は4人家族の場合どちらかというと割高になりやすく、コンビニやデリバリーの利用が続くと予算オーバーになってしまいます。だからといって、朝に夜の分を調理しておいたり週末に作り置きしたりするのも大変です。忙しくて調理できないときのために、冷凍パスタや冷凍餃子など電子レンジで調理できる冷凍食品をいくつかストックしておくのもおすすめです。

関連記事:目標実現のために倹約家を目指そう!知っておきたい倹約・節約のコツ

家計費を抑えたいなら固定費の削減にもチャレンジ!

食費は物価や季節、家族の行事などその時々で金額が変動します。何よりも、日々の食事の内容は家族の健康に直結するものなので、月単位で大幅な節約を考えるのは難しいともいえるでしょう。

一方、固定費は一度見直しをすれば節約効果が持続する項目です。家計費を少しでも抑えたい方は、固定費の節約にも目を向けてみるのがおすすめです。以下に見直しの例を紹介するので参考にしてください。

電気・ガスの契約先や契約プランの見直し
電気自由化、ガス自由化によってさまざまな事業者がサービスを提供できるようになりました。消費者はサービス内容や料金を見比べて、どの事業者から買うのが得か自由に選べるので、現在の料金が高いと感じるときは見直しましょう。
スマートフォン契約の見直し
4人家族の場合、子どもの年齢によってはスマートフォンを4台契約しているご家庭もあるでしょう。通信会社や料金プランを見直したり、格安SIMに変更したりすると固定費を大きく削減できる可能性があります。
不要なサブスクリプションの解約
音楽配信や動画配信など定額料金でサービスが利用できるサブスクリプションが人気です。しかし、複数のサービスを契約しても忙しくて利用できていないケースもあるのではないでしょうか。月々の支払いは数千円でも年間の支払額は1万円を超えるので不要なサービスは解約して節約しましょう。
保険の見直し
現在加入している保険が複数ある場合は、保障内容が重複していないか確認してみましょう。また、家族の年齢によって必要な保険も変化していきます。定期的に見直して保障額の減額や保険そのものの解約も視野に入れて検討を。
住居費の見直し
賃貸住宅に住んでいる方のなかには、「賃貸か?持ち家か?」という悩みがあるかもしれません。賃貸住宅の家賃と住宅ローンの支払金額にあまり差がない場合は、持ち家は資産になるというメリットを考えて家を購入するのもひとつの方法です。
また、すでに家を購入して住宅ローンの支払いをしている方は住宅ローンの借り換えによって住居費の節約ができないか検討してみましょう。

まとめ

結婚して家族が増える20代・30代・40代は子育てやマイホームの購入など何かとお金がかかる世代です。ほかの家庭はどのように家計費を管理しているのか気になるのではないでしょうか?
総務省のデータから食費の平均額を紹介しましたが、平均より多かったですか?平均額よりかけすぎている場合は、ここで紹介した節約のアイデアを参考にしてみてください。上手に家計管理をして、貯金やマイホームの購入を計画的に進められるといいですね。

お子さまの誕生や成長などをきっかけに、マイホームの購入を検討されている方には、関西みらい銀行の住宅ローンをおすすめします。関西みらい銀行の住宅ローンは、おトクな金利、安心の疾病保障付き団体信用生命保険など数多くのメリットがあり、Web申込・店頭申込いずれにも対応しています。ご検討の方はお気軽にご相談ください。

執筆者

五賀雅子

車業界、教育・医療関連の業界新聞記者を経て、出版社&編集プロダクションにて書籍の編集や子育て情報誌、雑誌等の編集・制作を担当。現在はライターとして、金融や介護、家事、育児、医療、レジャーなど幅広い分野の記事制作に携わっている。

  • 関西みらい銀行が監修しています