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固定費を削減するには?
家計費節約につながる固定費の賢い見直し方

2025.03.27最終更新

固定費を削減するには?家計費節約につながる固定費の賢い見直し方

家計の節約と聞くと、外食や趣味の費用など「変動費」を減らすことを考える方も多いのではないでしょうか。しかし、実は最も大きな節約効果を期待できるのは「固定費」の見直しです。一度削減に成功すれば、その効果は長期間にわたって家計を助けてくれるため、家計改善の第一歩として大変効果的です。この記事では、固定費削減の重要性や具体的な方法について詳しく解説します。賢い固定費の見直しで、家計の負担を軽減しながら、無理なく節約を実現しましょう!

家計費のなかで一番
節約できるのは固定費!

家計費の基本知識として、まず固定費と変動費の違いや、なぜ固定費を削減すると家計費節約につながるのかを解説します。

固定費とは?変動費との違い

家計費は大きく「固定費」と「変動費」の2種類に分類されます。
固定費とは、住居費や水道光熱費、通信費、生命保険料など毎月ほぼ一定の金額で発生する支出を指します。水道光熱費は基本料金と、使った量に応じてかかる従量料金で構成されているため、使用状況に応じて月々の変動はありますが、基本的には固定費に含まれます。

固定費は、一度契約すると毎月決まった額が発生するため、契約プランを適切に見直すことで長期的に支出を抑えることが可能です。
一方、変動費とは、食費や交際費、美容、医療費などのように月によって支出が変わる費用を指します。

固定費削減のメリット

固定費を削減する最大のメリットは、一度見直せば節約効果が持続する点です。例えば、インターネットの契約を見直し、月額料金を1,000円安くするだけで、年間12,000円もの節約になります。

これに対し、変動費の節約は手間がかかります。例えば、食費の節約であれば、安いスーパーを探したり、セールを活用したりと、毎回の買い物で工夫を重ねる必要があります。変動費はこまごまとした管理が必要なため、精神的な負担もかかりやすく、持続しにくい傾向があります。

固定費についても、水道光熱費のように使用量を減らすことで削減できるものもありますが、まずは「定額でかかる部分の見直し」をするのが効果的です。その後、さらに細かい部分の節約に取り組むことで、家計全体の負担を大幅に軽減できます。

みんなはどうしている?
固定費の見直しランキング

固定費といってもいろいろな項目があります。他の人はどの固定費を見直しているのか、気になる方もいるのではないでしょうか。2023年に株式会社MILIZEとTEPCO i-フロンティアズ株式会社が20歳~59歳の男女2,000人(一人暮らしの未婚者および既婚者)を対象に実施した「家計の管理に関する調査」から紹介します。

同調査によると、家計費の見直しで特に効果が大きかったのは光熱費、サブスクリプションサービス、携帯電話料金の3項目です。月5万円以上の節約を達成した人の40%以上が、これら3項目の固定費の見直しを実施していました。一方で、家計費の削減ができていない人は、これら3項目の見直しを20%以下しか実施していませんでした。

特に光熱費は、持ち家に住んでいる場合、電力・ガス会社の乗り換えやオール電化・エコキュートの導入などによって節約できる可能性が高い分野です。賃貸住宅に住んでいる方も、お住まいの地域や契約状況によっては電力・ガス会社の乗り換えが可能な場合もあります。また、サブスクリプションサービスの見直しでは、不要な動画配信サービスや音楽ストリーミングを解約するだけで月間数千円の節約につながります。携帯電話についても、大手キャリアから格安SIMに変更することで、月々の通信費を大幅に削減できます。

5大固定費を安く抑える
コツを一挙紹介!

5大固定費とは、①住居費 ②水道光熱費 ③通信費 ④車の維持費 ⑤生命保険料の5つを指します。その他、税金や教育費、サブスクリプションサービスの会費なども固定費に含まれますが、ここでは、特に節約効果が大きい5大固定費の削減方法を紹介します。

固定費の見直しで最も効果的なのは住居費の見直し

住居費は固定費の中でも最も大きな割合を占めるため、見直しの効果が高い項目です。賃貸住宅に住んでいる場合、家賃交渉が有効です。同じマンション内で新しい入居者に対して家賃が安く設定されている場合、マンションのオーナーや賃貸管理している不動産会社と交渉することで家賃を下げられる可能性があります。

また、勤務形態がリモートなどで特に住む場所が限定されない方は、家賃相場が低い地域への引っ越しも選択肢の一つです。例えば、株式会社LIFULL(ライフル)の調査(※)によると、乗車人員10万人以上の駅では京都駅(65,000円)、天王寺駅(67,000円)、京橋駅(68,600円)の順に家賃相場が安いという結果でした。乗車人員が4万人以上10万人未満の駅では、明石駅(55,000円)、姫路駅(60,000円)、高槻駅(62,000円)の順に家賃相場が安くなっています。

賃貸住宅に住むより家を購入したほうが毎月の住居費を抑えられるケースもあります。賃貸住宅の家賃と住宅ローンの支払金額にあまり差がない場合は、持ち家は資産になるというメリットを考えて家を購入するのも一つの方法です。ただし、家が広くなって水道光熱費が高くなったり、固定資産税がかかったりする点には注意が必要です。
なお、すでに持ち家に住んでいる方の場合は、住宅ローンの借り換えによって返済額を削減できる可能性があります。金利が低い銀行へ借り換えを検討することで、総支払額を抑えられます。

水道光熱費の削減はプラン見直しとコツコツ節約術で!

水道光熱費の削減には、まずガスや電気の料金プランを見直すことが重要です。電気自由化、ガス自由化により、複数の事業者がサービスを提供できるようになり、消費者はどの事業者が安いのかプランを比較して選べるようになりました。安いプランに変更するだけで年間のコストを削減できます。
また、以下のような節約方法も有効です。

省エネタイプの家電に買い換える

消費電力が少ない冷蔵庫やエアコンを選ぶことで、電気代を削減できます。例えば、2013年の製品と2023年の省エネタイプを比較すると以下のようになります。

省エネタイプの家電への買い換え効果

横スクロールできます。

  2013年製品 2023年省エネタイプ 年間電気代差額
冷蔵庫 370~410 kWh/年 267 kWh/年 約3,190円~約4,430円
エアコン 903 kWh/年 769 kWh/年 約4,150円
  • このデータは特定製品の消費電力量や電気代を保証するものではありません。
照明をLEDに変更する

LED照明は消費電力が少なく、長寿命なので交換の手間も省けます。

白熱電球からLED照明への変更

横スクロールできます。

  白熱電球 LED照明 年間電気代差額
照明 108 kWh/年 15 kWh/年 約2,880円
  • 年間点灯時間:2,000時間を想定
  • このデータは特定製品の消費電力量や電気代を保証するものではありません。
風呂水を洗濯に再利用する
専用のポンプを使えば、使用済みの風呂水を洗濯に活用し、水道代を節約できます。一般的に一回の洗濯で使用する水の量は約100Lです。大阪市水道局によると、1L当たりの水道料金は約0.1円、洗濯一回あたりの水道料金は10円ということになります。毎日洗濯をする場合、一年で3,600円の水道料金がかかりますが、残り湯を使用する場合はこれを節約することができます。

通信費は各種プランの見直しを

通信費の削減には、以下に挙げる各種プランの見直しが不可欠です。

インターネット料金の契約変更
利用頻度に合ったプランへ変更し、メールアドレスの取得やサポートサービスなど不要なオプションを解約することで節約可能です。
ケーブルテレビなどのプラン見直し
視聴頻度が低い場合は契約している専門チャンネルの数を減らしたり、解約して安価なストリーミングサービスに乗り換えたりも検討しましょう。
格安SIMへの乗り換え含めスマホ料金の見直し
スマホで動画をそれほど見ないのに無制限のデータプランに入っている場合はデータプランを縮小したり、割引キャンペーンを活用したりするなど検討しましょう。また、大手キャリアから格安SIMへ移行することで、毎月のスマホ料金を大幅に削減できる場合もあります。

通信費は毎月の固定費の中でも見直しやすい部分なので、自分の使用状況を確認し、最適なプランへ変更することで大きな節約効果を得られます。

車の維持費をまず洗い出そう!

車の維持費を削減するには、最初にどのような費用が発生しているのかを把握しましょう。車の維持費には、税金(自動車税・重量税)、自賠責保険や任意保険、車検や定期点検の費用、消耗品の交換費用、ガソリン代や電気代(電気自動車の場合)、駐車場代などが含まれます。

削減する方法としては、税金や燃料費が安い軽自動車やハイブリッド車を選ぶのも削減に貢献します。また、任意保険のプランには、補償の範囲を拡大する弁護士費用特約や日常生活賠償特約、レンタカー費用等保障特約などが付いている場合もあります。改めてプランの見直しを行い、自分にとって必要のない特約を外すことで保険料を抑えることが可能です。

運転時には急加速や急ブレーキを避け、スムーズな運転を心がけることで燃費を向上させられます。
今より安価な駐車場を探す方法もありますが、家から離れて不便になる場合もあります。

車に乗る機会が少ない場合は、思い切った方法ではありますが車を手放してカーシェアやカーリースを利用するなども考えられます。

生命保険料は定期的な見直しを

生命保険料の見直しは、ライフステージの変化に合わせて定期的に行うことが重要です。結婚や出産、住宅購入などのタイミングで、現在の保障内容が過剰になっていないかを確認し、必要に応じて保障額の減額や不要な保険の解約を検討しましょう。

また、複数の保険に加入している場合は、保障内容が重複していないかチェックし、必要な部分だけを残すことで無駄な支出を防げます。さらに、ダイレクト型の生命保険に切り替えることで、代理店を通さずに契約するため保険料を抑えることが可能です。

住宅購入をした場合、団体信用生命保険(団信)に加入することで、既存の生命保険を見直す機会になります。団信により住宅ローン残高が免除される場合があるため、生命保険の必要額を減らせる可能性があります。保険の見直しは定期的に行い、最適なプランを選択することで家計の固定費を削減しましょう。

サブスクリプションも要注意!無駄がないか見直そう

音楽配信や動画配信などのサブスクリプションサービスは便利ですが、複数のサービスを契約していると、実際にはほとんど利用していないケースも少なくありません。月額料金は数百円から数千円程度でも、年間に換算すると数万円に及ぶこともあります。そのため、不要なサービスの解約を検討することで、家計の節約に大きく貢献できます。

サブスクリプションの見直しは、以下のステップで行うのが効果的です。

  • 1.現在の契約を把握する
    どのサービスに加入しているのかリストアップし、月額費用を確認します。
  • 2.使用頻度を評価する
    過去3カ月間にどれくらい利用したかをチェックし、活用できていないものを特定します。
  • 3.プランの見直し
    必要なサービスであっても、より安いプランやファミリープランなどの選択肢があるか確認します。
  • 4.無料トライアルを活用する
    新しいサービスに移行する際は、無料トライアルを利用してから有料契約をすることで無駄を防げます。
  • 5.定期的な見直しを行う
    一度見直したら終わりではなく、半年ごとに契約内容を確認し、不要なものを解約する習慣をつけましょう。
  • 6.管理アプリでまとめて管理する
    サブスクリプションの管理アプリを活用すると、一括で契約状況を把握でき、見直しがスムーズに進みます。

サブスクリプションは手軽に契約できる一方で、管理を怠ると不要な支出がかさむ原因になります。定期的に見直すことで、無駄を省きつつ、必要なサービスを適切に利用するようにしましょう。

【番外編】
変動費を節約するには?

固定費の見直しが完了したら、次に取り組むべきは「変動費」の節約です。変動費の削減はコツコツと根気強さが求められ、やり過ぎるとストレスの元にもなるので無理のない範囲で取り組みましょう。以下に、家計費の削減につながるアイデアを紹介します。

  • 1.食費を見直す
    外食を減らし、まとめ買いや自炊を増やすことで大幅な節約が可能です。特売品やポイント還元の活用なども視野に入れましょう。
  • 2.交通費を見直す
    通勤・通学の定期券を最適な区間で購入する、カーシェアリングを活用する、自転車を利用するなど、移動コストを抑える工夫をしましょう。
  • 3.レジャー費を見直す
    無料イベントの活用や、会員割引を生かして娯楽費を節約する方法もあります。旅行はオフシーズンを狙うと安価に楽しめます。
  • 4.基本の生活費を見直す
    日用品や衣類の購入はセールを狙い、まとめ買いでコストを抑えます。また、不要な支出をリストアップし、本当に必要か見極めることが大切です。
  • 5.嗜好品費(酒・たばこなど)を見直す
    たばこやアルコールの消費量を減らすことで、健康面にも良い影響を与えながら節約できます。代替品やノンアルコール飲料を試すのも有効です。
  • 6.家計簿アプリの活用も効果的
    家計簿アプリを利用することで、日々の支出を可視化し、無駄な出費を見つけやすくなります。定期的に支出を振り返ることで、より効率的な節約が実現できます。

変動費は工夫次第で大きく節約できる分野です。無理なく取り組める方法を見つけ、自分に合った節約習慣を身につけることで、家計の負担を軽減しましょう。

また、銀行の公式アプリにも節約に役立つさまざまな機能があります。例えば、りそなグループアプリは、口座残高・入出金明細の照会や出金レポートの確認ができるため、家計管理に活用できます。またアプリで振込をすると、窓口やATMよりも振込手数料がおトクです。

まとめ

固定費の見直しは、家計節約の中でも最も効果的な方法のひとつです。住居費や通信費、水道光熱費など、毎月必ず支払う固定費を削減することで、長期的に大きな節約効果が期待できます。また、サブスクリプションサービスの見直しも固定費削減には欠かせません。これらを一つ一つ見直していくことで、家計の負担を無理なく軽減することが可能です。

お子さまの誕生や成長、ご両親との同居などをきっかけに、マイホームの購入を検討されている方には、関西みらい銀行の住宅ローンをおすすめします。関西みらい銀行の住宅ローンは、おトクな金利、安心の疾病保障付き団体信用生命保険など数多くのメリットがあり、Web申込・店頭申込いずれにも対応しています。ご検討の方はお気軽にご相談ください。

執筆者

五賀雅子

車業界、教育・医療関連の業界新聞記者を経て、出版社&編集プロダクションにて書籍の編集や子育て情報誌、雑誌等の編集・制作を担当。現在はライターとして、金融や介護、家事、育児、医療、レジャーなど幅広い分野の記事制作に携わっている。

  • 関西みらい銀行が監修しています