ドローンを活用した未来型旅行が体験できる!大阪・関西万博で実際にドローンを遠隔操縦してみませんか?
2025.05.28最終更新

Provided by: Japan Association for the
2025 World Exposition
「ドローン」について知っていても、実際にドローンを飛ばした経験のある方は少ないのではないでしょうか。
2025年4月から開催する大阪・関西万博では、大阪ヘルスケアパビリオンに出展する「Red Dot Drone Japan」のブースで、ドローンの遠隔操縦が体験できます。ほかにも大阪ヘルスケアパビリオンでは、未来の技術を体験できる多くの展示が予定されています。
- ■「Red Dot Drone Japan」の出展情報
- 出展予定日:2025年9月9日(火)~9月15日(月)
場所:大阪ヘルスケアパビリオン内 Resona Mirai color「ミライのテクノロジー」コーナー
大阪ヘルスケアパビリオンは、りそなグループがオフィシャルパートナーを務めており、大阪府と大阪市が共同で出展する体験型・参加型のパビリオンです。最新技術を通じて「わくわくする明るい未来」を感じられる場となっています。
本記事では、Red Dot Drone Japan のCEO、三浦望さんにインタビュー。万博で体験できるドローン遠隔操縦の魅力や、同社の技術、未来の展望についてお話をうかがいました。

「大阪ヘルスケアパビリオン」で体験できるドローンの
遠隔操縦とは?
大阪・関西万博では、最新のテクノロジーを体験できる多くの展示が予定されています。その中で、「遠くにあるドローンを操縦して旅行体験をしてみよう!」というテーマで出展するのが、Red Dot Drone Japanです。同社は、大阪ヘルスケアパビリオン内「Resona Mirai Color」の「ミライのテクノロジー」コーナーにおいて、2025年9月9日~9月15日の期間に出展を予定しています。
万博をきっかけにドローンをもっと身近に感じてほしい
万博会場で来場者は実際どのような体験ができるのでしょうか?
同社CEOの三浦さんにお聞きしたところ、「どの場所にあるドローンを操縦していただくかはまだ秘密なのですが、来場者の方々には遠隔地にあるドローンを実際に操縦し、まるでその場にいるかのような旅行体験を楽しんでいただく予定です」とのこと。ドローンの遠隔操縦は、カメラの映像をリアルタイムで確認しながら、自らの操縦で視点を動かせるため、通常の映像鑑賞とは違ったワクワク感が味わえそうですね。
「ドローンという言葉は広く知られるようになりましたが、一般の方にとってはまだ身近なものではありません。大阪・関西万博をきっかけに、多くの人にドローンをより身近に感じてもらえる機会になればいいですね」と三浦さん。
ドローンの操縦についても、「みなさん、怖い、不安といったイメージを持つ方が多いかもしれませんが、実際には非常に安定しており、物にぶつかったり落ちたりする危険はほとんどありません」と語ります。
今回の万博では、同社が開発したdQue™という、誰でも安全に遠隔操縦を体験できる遠隔操縦アプリを通して誰でも安全に遠隔操縦を体験できる仕組みを用意し、ドローン技術の可能性と楽しさを実感してもらうことを目指すそうです。
一足お先にドローンの遠隔操縦を体験してみました!

インタビューで訪問した際、実際にRed Dot Drone Japanの遠隔操縦技術を体験してみました。その様子をまず紹介しましょう。
同社が入る建物6階の部屋から、屋上に設置されたドローンを遠隔操縦します。ドローンの操縦には、ゲームのコントローラーに似た「プロポ(コントローラー)」を使用。このプロポにはスマートフォンやUSBが接続されており、遠隔操縦の指令をリアルタイムでドローンに送信します。
「従来のドローン操縦では、プロポから直接電波を送って操縦しますが、我々の遠隔操縦ではプロポから電波が飛んでドローンを飛ばしているわけではありません。弊社では4Gや、5Gといったモバイル通信網を用い、一度インターネットを経由して屋上にあるプロポに信号を転送し、そこから送信される電波でドローンを操縦する仕組みになっています」と三浦さん。
安全な運航を実現するために欠かせない「ジオフェンス」という機能についても解説してくれました。
「ジオフェンスとは、仮想的な境界線を設定しドローンがその範囲を超えないように制御する機能のことです。このジオフェンスがあることで、操縦者が誤って危険なエリアにドローンを飛ばしてしまうリスクを防ぎ、建物や人への衝突を回避することができます。目には見えませんが、仮想のフェンスが張られており、ドローンが不用意に境界線を越えて危険なところに飛んでいかないので、ドローンの操縦が初めての方も安心して操縦できるんです」

写真:緑の斜線がジオフェンス。ジオフェンス内にドローンが存在していることを示している
実際に操縦してみると、ドローンは非常に安定しており、初心者でも簡単に操縦できることがわかりました。映像もリアルタイムで鮮明に表示され、実際にその場にいるような感覚を味わうことができます。
「ドローンの遠隔操縦技術」を活用したミライ!
同社の遠隔操縦技術は、遠隔地にいながらドローンを操縦することで、新たな旅行体験を提供する「遠隔旅行」や、災害時の状況把握、警備の効率化など、社会課題の解決にも貢献する可能性を秘めています。


左の写真:ドローンが上空からダイバーを撮影している
右の写真:ドローンが上空からダイバーを撮影した写真
上の写真:ドローンが上空からダイバーを撮影している 下の写真:ドローンが上空からダイバーを撮影した写真
遠隔地のすばらしい景色がリアルタイムで楽しめる「遠隔旅行」
テレビの旅行番組や観光サイトでは、日本や世界各地の名所がたくさん紹介されています。それらの映像と遠隔旅行とではどういった違いがあるのでしょうか。
テレビ番組やYouTubeなどで紹介される映像を見るとき、視聴者はあくまでも受動的に見るだけで自ら映像の視点を動かすことはできません。同社が提案する遠隔旅行は、視聴者自らがドローンを操縦し自分が見たい景色をリアルタイムで探索でき、通常の旅行では体験できない視点からの旅行が体験できます。それが最大の特徴であり魅力です。
この技術は単なる観光目的にとどまらず、移動の困難な人々が旅行を楽しめる「アクセシブル・ツーリズム」の実現にも貢献しています。アクセシブル・ツーリズムとは、障害や高齢などによって移動やコミュニケーションに困難を抱える人々が、安心して旅行を楽しめるようにするための取り組みです。ドローンの遠隔操縦技術を活用することで、年齢に関係なく、現地に行くことが困難でも、安全に能動的な遠隔旅行を楽しむことができるのです。
三浦さんは、アクセシブル・ツーリズムを推進する東京都との事業で得た体験を話してくれました。
「東京にある高齢者施設とそこから約1,000km離れた父島をつなぎ、施設の入居者が遠隔操縦でドローンを操縦し、島の自然を楽しむ実証実験を行いました。参加者からは、『まるで現地に行ったような感覚だった』『海の色がこんなに綺麗だとは知らなかった』など、大変好評でした」
現在、同社では旅行会社と提携し、遠隔旅行のパッケージツアーの企画を進めており、より多くの人が気軽に世界の絶景を楽しめる仕組みを構築中です。
さらに、同社の遠隔旅行が好評な理由について三浦さんは、「一人だけで楽しむのではなく、zoomなどのWeb会議ツールを活用して参加者同士が交流しながら楽しめる仕組みを導入した点も挙げられます。映像を通して見ているだけの人が、操縦している人に『もっと高く飛んでみて!』『あっちにも行ってみて』と語り掛け、参加者同士のコミュニケーションが生まれることで想定以上に盛り上がりました。まるで友人や家族と実際に旅行しているかのような感覚を味わえたのかもしれませんね」と話します。
警備、防災、スポーツなどさまざまな分野で活用が期待されている
ドローンの遠隔操縦技術は、観光だけでなく、警備、防災、スポーツなどさまざまな分野での活用が期待されています。

警備分野では、夜間の見回りや、大規模イベントの監視、施設の安全管理など、人の目では確認しづらい高所や広範囲の監視への活用が期待されています。
また、防災分野ではあらかじめ各地域にドローンポート(後述)とドローンを配備しておき、災害時に人間が立ち入るのが難しい、火災現場や高所などの場所の調査にドローンを活用することが考えられています。
三浦さんは、「実際これらの技術を実用化するには、航空法や通信規制、安全対策などの法的整備が必要で、実際の運用には時間がかかる可能性がある」と指摘します。ただ、「法的整備に時間がかかったとしても、技術革新は待ったなしで進みます。Red Dot Drone Japanでは、法整備を待つだけでなく、今できる技術開発に注力して、時期が来たらすぐにサービスとして出せるような体制を作っておきたいですね」と力強く語ります。
災害時にも役立つドローンポートの整備にも力を注ぐ

遠隔操縦技術をより効果的に活用するために、Red Dot Drone Japanは「ドローンポート」の整備にも力を入れています。
「ドローンポートは、ドローンの発着・充電・遠隔操縦の拠点となる施設です。災害時には、現地の被害状況を即座に確認するための拠点として活用できます。これまでは、遠隔操縦が可能でも、現地にドローンを持ち込まなければいけない点がネックになっていました。しかし、災害の発生が予想される場所にドローンポートを設置しておけば、必要なときに即座に飛行させることが可能です」

写真:ドローンポートの扉が開き、
中のドローンが見える
さらに、ドローンの遠隔操縦にインターネットが欠かせない点については、「災害時など、電源は自家発電でまかなえますが、ネットワークはなかなか難しく、そこがネックだったんですね。しかし、最近はスターリンクなどの低軌道衛星通信が使えるようになったので、アンテナを置けばネットワークが確保できるようになりました」と三浦さん。
ドローンポートの設備には、風速計や温度計なども設置されており、リアルタイムで環境情報を取得できます。さらに、ポート内でドローンを自動充電できるため、長時間の運用が可能になります。現在は15分程度の飛行時間のドローンが主流ですが、最新モデルでは50分、ハイブリッド型では2時間の飛行が可能なものも登場しており、ドローンポートと組み合わせることで、より利便性が増します。
このように、ドローンの遠隔操縦技術とそれを支えるインフラの整備が進むことで、未来の防災や物流、監視システムが大きく変わる可能性があります。
Red Dot Drone Japanの
独自技術と今後の展望
Red Dot Drone Japanは、ドローンのソフトウェア開発を専門としています。独自の遠隔操縦アプリ「dQue™」と通信回線を組み合わせることで、インターネット越し(4G・5G)に遠隔地からリアルタイムでドローンを操縦できる革新的な技術を開発しました。

オーストラリアから大阪市にあるドローンの遠隔操縦に成功!
Red Dot Drone Japanの技術の革新性を示す大きな成功事例があります。2024年12月、オーストラリアのメルボルン大学から大阪市此花区のセレッソ大阪舞洲グラウンドにあるドローンをリアルタイムで遠隔操縦することに成功した実証実験です。メルボルンと大阪とは実に8,117kmも離れています。
同社の技術を活用してどのような未来を目指しているのか、三浦さんは語ります。
「ドローンは人の代わりに働いてくれる道具として期待されていますが、現状では、人がドローンを操縦するだけでなく、多くの場合、操縦者自身が現地に赴かなければなりません。例えば、災害時に状況を調査する際も、結局は人が危険な場所に出向き、現地で操縦を行う必要があります。我々は、この現状を変え、より安全で効率的なドローン運用を実現したいと考えています」
Red Dot Drone Japanの技術は、目の前にあるドローンを飛ばすような感覚でずっと遠いところにあるドローンを飛ばすことができる技術だといえます。さらに、大きな特徴があります。三浦さんいわく、「一般的な遠隔操縦は、事前に飛行ルートを全部考えた上でそれをプログラミングし、その通りに飛ばす指示を遠隔地から送る遠隔“操作”です。そのため、臨機応変な対応はなかなか難しいんですね。それに対して、我々の遠隔操縦は人による操縦なので、決まりきった動きをするだけではなく、何か起こったときに操縦者が遠隔地から判断して変更できる点が大きな特徴」と語ります。
将来的には、ドローンが自ら状況を判断し、最適なルートや対応を決定する「自立飛行技術」の開発を目指しているとのこと。この技術が実現すれば、人の操縦なしに、より効率的で安全なドローン運用が可能になり、さらなる技術革新が期待されます。
技術革新を追求して今後も人々の“観たい!聴きたい!”を叶えたい

同社の今後の展望について三浦さんは、「弊社は人々の『観たい!聴きたい!を叶える』というミッションを持っています。現在は、ドローン技術を活用してこの目標を達成しようとしていますが、この挑戦はドローンだけにとどまらず、将来的には宇宙分野にまで広げていく計画です」
そして、最終的なビジョンとして三浦さんは、「直近の夢としては、自社の人工衛星を打ち上げることが目標」と語ります。「観たい!聴きたい!を叶える」という企業理念のもと、さらに大きな夢に向かって技術開発にまい進するRed Dot Drone Japan。
同社の技術を体験しに、まずは大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」を訪れてみませんか。
まとめ
万博会場ではここで紹介したドローンの遠隔操縦をはじめ、さまざまな未来のテクノロジーを肌で感じることができます。ぜひ、万博会場で実体験してみてください。
万博の概要紹介
大阪・関西万博
「大阪ヘルスケアパビリオン」
大阪ヘルスケアパビリオンは、大阪府・大阪市が共同で出展する参加型のパビリオンです。7つのゾーンで構成されており、「いのち」や「健康」、近未来の暮らしを感じられる展示のほか、来場者がわくわくしながら明るい未来を感じることができる体験型・参加型の展示も多数用意されています。
7つのゾーンのうち、ZONE03「リボーンチャレンジ」には近未来での実用化や社会課題の解決につながる中小企業・スタートアップ企業の技術が展示されています。
「展示・出展ゾーン」のオフィシャルパートナーであるりそなグループでは、『Resona Mirai Color』と題し、四季になぞらえた4つのテーマに分けた合計39展示45社の展示企画をサポートします。
執筆者
五賀雅子
車業界、教育・医療関連の業界新聞記者を経て、出版社&編集プロダクションにて書籍の編集や子育て情報誌、雑誌等の編集・制作を担当。現在はライターとして、金融や介護、家事、育児、医療、レジャーなど幅広い分野の記事制作に携わっている。
- 関西みらい銀行が監修しています